任意後見制度って何？
私達は、生きている間、様々ないくつもの契約をおこなっています。
例えば、スーパーで食材を買ったり、ブティックで服を購入したりすることも、いわば契約のひとつです。契約をするには、自分の行為の結果がどのようになるかの判断が出来る能力が必要です。もしあなたが将来、認知症などによって判断能力が低下した場合、正確な判断ができずに不利益を被ることになる恐れがあります。そういうことにならないように支援する制度が「任意後見制度」です。もちろんお年寄りに限らず、障害のある方のためにもこの制度をご利用いただけます。
任意後見制度は以下のような時に利用することができます。
（1）一人暮らしの老後を安心して過ごしたいから、高齢者施設等に入る為の契約をしたり、入所費用の支払手続をしたり、経営しているアパートの管理も任せたりすることができます。
（2）訪問販売で使うはずもない高額な商品を買わされた時の返品手続や意味のないリフォームの契約をさせられたときの解約などの手続をします。
（3）
今のところ元気で不自由もないけれど、子供や他に頼れる身よりもなく、近い将来、自分たちの財産や身の回りのことがどうなるのか不安といった場合。
手続内容
財産の管理に関する法律行為
例）
・預貯金の管理・不動産等の売買契約や賃貸借契約の手続
・遺産の分割など
・生活・療養看護に関する法律行為
例）
・介護契約・高齢者施設に対しての入所契約
・医療契約の手続など
任意後見は、上記のように、財産管理だけでなく生活や療養看護などにもわたってきます。お元気なうちにあなたが選んで頂いた、あなたの身近にいる法律知識に精通した「後見人」（司法書士や行政書士、ご自身のご家族でも構いません）と任意後見契約をしておくことで、万一物事を判断する能力が衰えた場合でも安心した生活を送ることができると思われます。
